円頓寺商店街、四間道(しけみち)(名古屋市西区那古野)などの名駅エリアを舞台とした自主制作映画「歪屋」の上映会が1月30日・31日、西区役所(名古屋市西区花の木2)2階の講堂で行われる。
映画制作を手がけるのは、同商店街で雑貨・シルバーアクセサリー・革小物などを販売する「零屋(ゼロヤ)」(名那古野2、TEL 052-581-1201)店主の森零さんが代表を務める「円頓寺活動写真」。零さんは名古屋ビジュアルアーツで映像の講師も務める。
2007年の暮れから構想を練り始め、2008年5月より撮影を始めた同作品。「零屋」の水没というトラブルが発生し一時は活動を中断したが昨年2月に再開し、10月に撮り終えた。
主演キャストやエキストラ、スタッフ、協力者は知人や募集で集め、今までに約150人がかかわったという。「協力に関してすさまじいものがあった。(映画制作について)周囲に声を掛けたらどんどん広がっていき、プロジェクトが成長していった」(零さん)と振り返る。今月完成したばかりの西区役所の新庁舎内の講堂で上映することについては、「こけら落としを担うことになり自分でもびっくりしている」とも。
作品の出来栄えは「満足」。映画作りの基本はしっかり準備を整えて取りかかるといいう零さん。「その中で、突然風が吹いたり、役者がつまずいたり、映し出された偶然の出来事が、作られたものの中に入っていく面白さがあった。設計図以上のことになった」とロケ映画の魅力を語る。
内容は、「時限時計」というタイムマシンを巡る冒険活劇。「時限時計がつくり出す時間のループで(観客を)翻弄(ほんろう)する」と笑みを浮かべる。ストーリーの中には「緑地化された月につながる軌道エレベーター」、四間道を歩く「3.2メートルのロボット」、「見るまでのお楽しみ」だという「名古屋市のあの人、あの有名ドラマーも出演する」など、個性的な作品に仕上がった模様。「常に学生たちに意識させている『見てくれる人に初めての体験をさせてあげる』ことを実現している。映像制作や音楽・美術をたしなむ方はびっくりするのでは」とも。
助監督を務めた片岡祐弥さんは「いろんな人に出会えた1年。いろんな場所にも行った。アドレスも増えた。たくさんの人と知り合えて、自分の作品にも出てもらえる」と笑顔に。
今回の公開にあたり、零さんがテレビで知ったという三重県津市在住の看板職人・紀平昌伸さんに絵を依頼。登場人物を描いた作品はポスターやチラシに反映。原画は同区役所1階に展示する。
30日は作品にも出演した火消し太鼓や馬頭琴の演奏、31日はエンディングテーマを担当した「みつ&フラワーアミーゴス」のアコースティックライブも予定。上映は14時~。350席。入場無料(カンパ制)。