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映画「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」公開へ-主演の柴咲コウさんら来名

公開に先立ち会見を開いた、御法川修監督と主演の柴咲コウさん

公開に先立ち会見を開いた、御法川修監督と主演の柴咲コウさん

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 名駅の映画館「ミッドランドスクエアシネマ」(名古屋市中村区名駅4、TEL 052-527-8808)ほかで3月2日から、映画「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」が全国公開される。公開に先立ち、御法川修監督と主演の柴咲コウさんが来名し、会見を開いた。

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 同作は益田ミリさんの4コマ漫画「すーちゃん」シリーズが原作。累計40万部の人気シリーズを、「世界はときどき美しい」「人生、いろどり」などを撮った御法川監督がメガホンを取り、映画化した。主人公「すーちゃん」の友人「まいちゃん」を真木よう子さん、「さわ子さん」を寺島しのぶさんが演じ、人気女優3人の共演にも注目が集まっている。

 カフェ店員のすーちゃん、OA機器メーカーに勤める会社員のまいちゃん、WEBデザイナーのさわ子さんの3人は、かつてのバイト仲間。そろってピクニックに出掛けたり、おいしい鍋を囲んだり、出会ってから十数年たった今も、友情は続いている。それなりに楽しい毎日を過ごす彼女たちだったが、不意によぎる不安や、切実な悩みも抱えていた。

 原作は素朴な絵とシンプルでリアルな言葉が女性たちを中心に人気の作品。柴咲さんは「一つ一つの言葉が、さらっとしているのに心にズシンとくる。淡々としてシンプルな絵なのに、とても響いてくる」と魅力を語る。原作にほれ込んで映像化したという御法川監督は「女性だけに向けた作品ではない。現代は女性が前に出て頑張っている分、男性もデリケートに生きている。僕も今はこうして会見の場を与えてもらっているが、先の保障などない仕事で、不安がある。原作を読んで、すーちゃんが自分のように感じた」と話す。

 柴咲さんは「食堂かたつむり」以来、3年ぶりの映画主演。監督が出演を依頼したのは東日本大震災の後で、柴咲さんがボランティアとして東北を訪れていた時期だったという。柴咲さんは「当時、映画に関わる人たちは皆、自分たちの作る作品は誰のためになっているのかと自問していた。15年、女優をやってきた中で、みなぎって何でもやりたいと思っていた時にアグレッシブな作品がきた」「この作品が来た時はなぎのような時期で、穏やかではなく不安な状態だった。そんな時に声を掛けてもらったのは出会い、縁だと思っている」と振り返る。監督は「この時代に作られる意義があるものなら加担したいという柴咲さんの言葉を覚えている。この作品は、うわべだけ優しい、女性を応援するだけの映画にはしたくなかった。自分の心の闇に折り入って、深呼吸して会話できる人に演じてほしかった。柴咲さんは本質を見つめることを恐れない人だと思ったのでキャスティングした。映画の中に映っているすーちゃんの佇(たたず)まいに自信がある」と話す。

 普段から自分の出演した作品を積極的に見るタイプではないという柴咲さん。本作を見るのは特に恥ずかしかったと明かす。「役作りは普通を装うのではなく、自分の中にある平凡な部分を大事にした。私にも心の中で毒づきながら、顔はにこっとしている時がある。演じるよりも、『出ちゃった』となればいいと思っていた。映画には普段、人に見せていない気の弱い、迷っている部分が出ていた。自分自身が役柄に混ざっているので、完成した作品を見るのは恥ずかしかった」

 最後に監督は「今、世の中は神経質になっていて、明るい話は少なく、希望を話したらうそになってしまう。この映画の本質を受け止めると、あまり明るい気持ちにはならず、大変だと思うはず。切なくて寂しい部分もあるが、ネガティブに捉えないでほしい。一歩を踏み出すためには、自分の心と向かい合う時間が必要。色彩にもこだわった映画なので、ぜひ劇場で見てほしい」と話し、多くの来場を呼び掛けた。

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