材料に食塩を使わない料理本「ウェスティンナゴヤキャッスルの減塩松花堂」(女子栄養大学出版部)が12月15日、発売される。
減塩松花堂は、ウェスティンナゴヤキャッスル(名古屋市西区樋の口町)内の日本料理店「西の丸」で昨年12月から提供してきたランチメニュー。減塩を推進する日本高血圧学会が推奨する食塩量1日6グラム未満を参考に、1食あたりの塩分(食塩相当量)を2グラムに抑えたもの。メーカーが出しているさまざまな減塩食品を使い、「料理人の知恵と技をもって、薄味ではないおいしさと、料理のボリュームも減らすことなく実現」した。実際の料理を分析して塩分を算出。減塩食品の代わりに通常食品を使用した場合の同一料理を分析した結果、塩分(食品相当量)の約半分を確認したという。
店舗で提供している季節に合わせた6種類の減塩松花堂のレシピを掲載。作り方のほか、食べ合わせの味わい、組み合わせ、刻み具合、食材に含まれる脂肪分の上手な使い方など「減塩テクニック」も掲載。「和食には塩、しょうゆは欠かせないので、工夫して納得できるもので作った。魚の臭み取りに塩を使うところを、減塩しょうゆを使った付け汁で代用するなど工夫した」と、減塩松花堂を手掛けた西の丸元料理長の齋藤広志さん。
「減塩松花堂を提供して1年後に本になっているのは不思議な感覚」(齋藤さん)。「最初は塩分を単に控えれば、『(塩分控えめで)薄味だね』『ありがとう』とお客さまは言ってくれるかなと思ったが、おいしくないものを提供するのは抵抗があった。いろいろな種類の減塩食品があることを教えてもらい、使ってみて、工夫して作り上げた」と振り返る。「2グラムに制限するのが本当に大変だった。普段使っている言葉の多くが専門用語だったようで、一般の方に分かりやすくレシピに落とし込むことも初めての経験で難しかった」とも。
仕様はB5サイズ、オールカラー100ページ。価格は1,470円。全国の主要書店のほか、ネット書店、同ホテル内ショップなどで販売する。