中部地方を走る電車を掲載する写真図鑑「旅鉄Kids『なごやの電車大百科』」が5月1日、刊行された。鉄道・旅・歴史メディア事業を展開する「天夢人」(東京都千代田区)が手掛けた。
これまでに同シリーズの「とうきょうの電車大百科」「おおさかの電車大百科」を発売。同書を担当する「旅と鉄道」編集部の林さんによると、購入者から「子どもが自分で手に取って離さなかった」「毎日飽きずに読んでいる」などの声が寄せられているという。
中部地方の愛知、静岡、三重、岐阜、福井の5県を走る、新幹線・特急・路面電車・SLなど鉄道を取り上げた同書。JR、名鉄、近鉄、地下鉄の名古屋市交通局、地方私鉄など32社・102形式を扱う。
林さんは「中部地方最大の都市・名古屋を中心にすると、JR東海と名鉄の2社が圧倒的な存在だが、そのほかにも個性的な路線が多々ある」と話す。線路幅が新幹線の半分程度の762ミリと狭く「ナローゲージ」と呼ばれる鉄道で一般的に営業運転をしている路線は、三重を走る「四日市あすなろう鉄道」「三岐鉄道北勢線」の2路線しか日本にはないという。日本で唯一の浮上式リニアモーターカー「リニモ」や、バスなのに鉄道の一種に区分される日本で唯一のガイドウェイバス「ゆとりーとライン」など、中部地方には「このエリアにしかない鉄道がたくさんある」という。
紙面には電車の写真を大きく使い、説明文中の漢字には全てふりがなを振った。形式ごとに紹介するJR東海・名鉄・近鉄の通勤電車は路線図も掲載。「伊賀鉄道」「樽見鉄道」など地方私鉄や第三セクター鉄道は1社ずつ紹介。個性的な鉄道はコラムページにして目立たせるなど、「身近な鉄道を楽しく理解してもらえる構成を心掛けた」という。「カラフルな電車、個性的な鉄道、かっこいい特急などを見て、楽しんで知るだけでなく、文にはあえて漢字を用いて、文字も覚えてもらうことを意識した」とも。
仕様はB5判80ページ。価格は1,430円。全国書店やオンライン書店などで販売する。