名駅の新ビルに職人3人が紳士靴店-地場産業を伝える目的も

「shoes bonanza(シューズ ボナンザ)」店内。併設された工房では職人が靴作り

「shoes bonanza(シューズ ボナンザ)」店内。併設された工房では職人が靴作り

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 靴職人3人が手がける紳士靴店「shoes bonanza(シューズ ボナンザ)」(名古屋市西区名駅2、TEL 052-564-5900)が5月20日、オープンした。場所は、竣工したばかりの「名古屋プライムセントラルタワー」横の遊歩道に面したコミュニティースペース。

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 店長の鈴木さん、内山さん、清水さんは、西区内の靴の学校「靴デザインクラフトスクール」で学んだ靴職人。西区はもともと婦人靴の産地だが、外国ものの導入、工房の海外移転などで、栄えていた産業がどんどん衰退。それではいけないと、名古屋靴工業協同組合の吉田代表理事が、若手を育成し技術を後世につなぐために同スクールを2002年4月に開校。3人はこれまで、文化センターなどで授業を行うなど、地場産業を理解してもらう活動を行ってきた。出店は同センターが声を掛け、決まった。同スクール卒業生が店舗を持つのは今回が初めて。

 同店は、企画・製作・販売・アフターケアまで一貫して行うのが特徴。店名の「ボナンザ」は、英語で「思いがけない幸運」を意味する。同スクール受講生から店名を募集したという。マークには、盾=「伝統を守る」、金づち=「攻めを表現。守っているだけではなく、時には壊していかないと、という思いを込めた」と鈴木さん。

 店舗面積は約20坪。店内には作業台、ミシンなどを置いた工房も併設。仕切りがなく、ガラス張りの店づくりのため、中からも外からも靴ができていくシーンを目にすることもできる。「(3人が)ここだけは大きなこだわりを持った」(鈴木さん)という棚には、装飾を施した柱を使用。イギリスの靴工房をヒントにしたという。

 利用客はまずデザインを決め、次にサンプルを試着しサイズを決める。幅の調節や、靴底の貼り方、色の組み合わせなどのパターンオーダーが可能。価格帯は3万円強~6万円。「今は扱うデザインを絞っているが、ゆくゆくはデザイン性の高い靴も作っていきたい」(同)。「お客さまの要望が多ければ、婦人靴もやっていきたい」とも。

 鈴木さんは「(オープンは)個人のお客様と接するため、身が引き締まる思い。この店は自分たちだけのものではなく、地場産業を次の世代につなぐという目的も持っているので、たくさんの人に伝えたい」と意欲をみせる。

 営業時間は火曜~金曜13時~20時、土曜・日曜=10時~18時。月曜定休。

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