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名古屋にアーティストが集まるシェアアトリエ 舞踊家・浅井信好さんが開設

現在開催中の、写真家夫婦、HAYATOさん、壹岐倫子さんの写真展の様子

現在開催中の、写真家夫婦、HAYATOさん、壹岐倫子さんの写真展の様子

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 名古屋市中村区に8月1日、舞踊家・振付家の浅井信好さんが手掛けるアーティストやクリエイターが集うシェアアトリエ「黄金 4422BLDG.(コガネヨンヨンニーニービルジング)」(中村区長戸井町4)がプレオープンした。

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 中川区出身の浅井さんは、舞踏団「山海塾」、イスラエルの舞踏団「バットシェバ舞踊団」で活動していたほか、パリを拠点にダンスカンパニーを創設、主宰。地元活性化を目的に名古屋を拠点にしたアートプロジェクト「月灯り(あかり)の移動劇場」の活動も行っている。

 元縫製工場だった空きビルを活用した同アトリエ。浅井さんが「パフォーミングアーツと現代美術のアーティストやクリエイターのプラットホームとして、名古屋の新しいカルチャーを発信する場所になれば」との思いから開設した。名古屋駅から2駅で、今秋「まち開き」が行われるささしまライブ地区にも近い黄金エリアに着目し、「徐々に変化をしていく場所だと考えている」と浅井さん。

 浅井さんによると、ヨーロッパ活動時代に参加していたという、アーティストやクリエイターの複合アトリエ「スクワット」を名古屋でも作りたいとの考えからプロジェクトを進めるなかで、「名古屋でしか生み出せない」「今の名古屋に求められている形」を模索。現代のアーティストが求められていることは、今までのように質の高いアート作品を主観的な立場や思想で作り出すだけでなく、地域や社会など周りと交わり、置かれている環境をよくしていく視点を持つことも必要と考えるようになったという。

 現在、1階、2~3階、4~5階に分けてディレクターを立て、それぞれのビジョンに似合う入居者を募集している。1階は地域の方がふらっと訪れられるイメージで、ビルに入居するアーティストらの交流の場にもなるような「食」のテナントを求めている。

 2~3階は「月灯りの移動劇場」が管理運営を行い、スタジオやギャラリー、イベントなどに活用できるオープンスペースを設けるほか、月灯りの移動劇場の創作にも関われるデザイナーや衣装家、映像作家などのアトリエスペースとして提供する。4~5階は若手アーティストの育成や創作環境の提供がテーマにし、格安で貸し出す。「マルシェや食のイベントなどとも連携し、普段アートに触れる機会の少ない人たちと地域、アート好きの人々のコミュニティーが交わっていくようなイベントやフロア設計を行っていきたい」と浅井さん。

 「アートだけに偏るのではなく、地域とストリートカルチャー、アートなど、異なる感度を持った人たちが集まる場所でありたい。この場所が名古屋の新しいカルチャーの発信拠点となり、アーティストやクリエイターが世界に羽ばたく場所であってほしい。あらゆるカルチャーが混ざり合う不思議な空間だからこそ、海外の観光客も名古屋に立ち寄る際に足を伸ばしてくれるような場所となり、私設のアーティスト美術館のようになっていけば」とも。

 現在ビル内では、ニューヨークで活動している写真家夫婦、HAYATOさん、壹岐倫子さんの写真展(8月27日まで、入場無料)、ダンサーのやまだしげきさんのソロダンス公演(31日、当日3,000円)など、国内外で活動するアーティストやクリエイターなどに会場を開放し、企画を行っている。

 正式オープンは来年2月を予定する。

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