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古い木造倉庫改装「ささしまスタジオ」、今秋オープンへ 舞台や展示など多目的に

「ささしまスタジオ」前で、スタジオオーナーの志水久雄さん(左)と、プレオープン企画を担う舞台演出を中心に活動している紺野ぶどうさん(右)。取材当日は改装中。

「ささしまスタジオ」前で、スタジオオーナーの志水久雄さん(左)と、プレオープン企画を担う舞台演出を中心に活動している紺野ぶどうさん(右)。取材当日は改装中。

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 ささしまエリアにある古い木造倉庫を改装し、演劇の上演や展示など多目的に貸し出す「ささしまスタジオ」(名古屋市中川区福住町8)が8月11日、プレオープンした。

「ささしまスタジオ」の中の様子

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 オーナーは、イメージ設計(名古屋市千種区)の志水久雄さん。まちづくりやエリアマネジメントのコンサル業を手掛け、再開発エリア「ささしまライブ地区」の「まちびらき」イベント(2017年開催)にも関わった。名古屋駅北側に位置する亀島にギャラリー「アートハウスあいち」とシェアアトリエ「アートハウスあいちアトリエ」も展開する。

 木造倉庫を自店の倉庫兼作業場として使っていた、アンティークを扱う知人から、「次の使い手を探している」と声を掛けられたことが始まり。「このままでは、倉庫が取り壊されてコインパーキングなど新しいものが建つのが目に見えていた。倉庫の中を見ると、天井も高く広い空間。不特定多数の人が使い、にぎわいをつくれる場を、自分で作ってみようと思った」と振り返る。

 建物の幅は8メートル、奥行きは約18メートル。「小劇場と言える大きさ」と言う。トイレなど水回りを除き、集まった仲間でDIYで内装工事し、梁(はり)はむき出しの状態で生かした。「壁に防音を備えるなど、しつらえは演劇に対応するが、使い方は演劇に絞らず、作品展示や例えば地元の子どもたちのダンスの練習場所など、いろいろ使ってもらえれば。やりながら使い方が見えてくると思う」と志水さん。

 今月11日のレセプションイベントを皮切りにプレオープン企画「笹舟 2019」を展開。「アートハウスあいちアトリエ」の利用者で舞台演出を中心に活動している紺野ぶどうさんが企画した。紺野さんは「志水さんにお声掛けいただいた。思いを受け、ぜひ自分も関わりたいと思った。ささしまエリアの活力や人が集まる場を作り、文化芸術と社会をつなげ、街に刺激を与えられたら。プレオープン企画は、たくさんの方にこの場所を知ってもらう目的で開く。実施内容もさまざまで、スタジオの使い方・仕様を見ていただける」と話す。

 プレオープン企画は、18日に陶芸パフォーマンスとワークショップイベントを開催。一般公募型ダンス公演「ささしまで『創る!踊る!』」(9月8日)、駅西にある「喫茶River」による「CURRY×MUSIC in SASASHIMA」(同13日)、紺野さんが構成・演出を務める展覧会形式の演劇作品「Contondo #14 青年と死[秋]」(同22日)を予定する。

 オープンを機に紺野さんらは、名駅西エリアでアートや文化活動をしたい人たちの相談・企画窓口団体「アーツミーティングささしま(AMS)」を立ち上げた。舞踊、飲食、音楽、演劇など、それぞれ受け皿となる人がサポートする。

 ささしまは名古屋駅かいわいと中川運河に接続するエリア。志水さんは「中川運河を舞台としたアートプロジェクトも徐々に育ち、運河沿いの遊歩道なども少しずつ整備が進んでいる。何かできそうなイメージが持てるエリアだと思う。名古屋駅西側やささしまかいわいに、個々に面白いことをやっている人がたくさんいるので、この場を活用してつながってもらいたい。将来、ここからアーティストが生まれたら」と期待を寄せる。

 正規オープンは今秋を予定。

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