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名駅西のシネマスコーレでアニメ「音楽」 岩井澤監督らが見どころ語る

(右から)大橋裕之さん、岩井澤健治監督、松江哲明プロデューサー。名駅西「シネマスコーレ」前で

(右から)大橋裕之さん、岩井澤健治監督、松江哲明プロデューサー。名駅西「シネマスコーレ」前で

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 アニメ映画「音楽」が1月11日から、名駅西の映画館「シネマスコーレ」(名古屋市中村区椿町8)で公開される。公開に先立ち、来名した岩井澤健治監督、原作者の大橋裕之さん、プロデューサーの松江哲明さんが作品の見どころを語った。

シネマスコーレで公開する映画「音楽」

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 同映画は愛知県蒲郡市出身の漫画家・大橋さんの同名漫画が原作。楽器を触ったこともなかった不良学生3人が、思いつきでバンドを結成する青春音楽ドラマ。主人公・研二の声をロックバンド「ゆらゆら帝国」を経てソロで活躍するミュージシャン坂本慎太郎さん、ヒロイン亜矢の声を女優の駒井蓮さんが演じる。声の出演はほかに平岩紙さん、竹中直人さんら。ミュージシャンの岡村靖幸さんも「秘密」の役柄で出演している。

 岩井澤監督は、2012年から同作を自主制作アニメとして制作開始。実写で撮影した素材をアニメーション化する「ロトスコープ」という手法を用い、7年以上の期間をかけ、作画枚数4万枚超を手描きで描き上げた。

 岩井澤監督は「長編アニメ映画は予算と時間と人手がすごく掛かるので、有名な原作や監督など、ある程度数字が見込めるものでないと企画が成立しない。この漫画は自力でやろうと思える作品だった」と自主制作で始めた経緯を話す。松江さんは「監督から長編アニメを作りたいと聞いて、すぐに大橋さんに電話した。その時はこういう作り方になるとは思っていなかった。フルカラーになるとか、音楽フェスを実際にやってロトスコープで撮るとかは、後から決まっていったこと。ここまでのクオリティの長編アニメになるとは想像もしていなかった」と振り返る。

 大橋さんは「僕からは、ヒロインの亜矢をかわいくしてほしいとお願いしたくらい。それから作っていく途中で、監督と音楽や声優について、いろいろ話していった」と話す。自費出版で作った「自分のスタイルの原典」ともいえる漫画のアニメ化に「キャラクターに肉付けしてもらえた部分は素晴らしかったし、故郷の蒲郡でロケハンをして描かれた風景もあった。すごい映画にしてもらえて、本当にうれしい」と笑顔を見せる。

 7年の制作の日々について岩井澤監督は「ずっと描き続けながら7年間で気持ちの浮き沈みはあったが、途中でやめたいと思ったことは一度もなかった。1人で描いているとはいっても、ミュージシャンや観客が集まり本物のライブをやって撮影させてもらうなど、本当にたくさんの人の協力があって完成した映画。今の年齢からだと難しかったかもしれないが、妥協しないで挑戦できた7年間だった」と振り返る。

 大橋さんは「完成した時は、観客に見て欲しいとかの前に『岩井澤さん、良かったな』という思いが一番大きかった」と話す。松江さんも「20年、映画の世界に関わって、何回あったろうかと思うくらい、作品のエネルギーに興奮した。映画館で上映されることを想像して、勝ったと思った」と意気込む。

 映画はオタワ国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門でグランプリを獲得。特報映像の再生回数は、発表後3日間で50万回を突破した。

 最後に3人は「僕自分が表現したいこだわりも全て入れて、大橋さんの世界を映画にすることができた。誰でも楽しめるエンターテインメントに仕上がっている。7年かけて個人制作すると、どういうアニメになるか、興味を持ってもらえたら劇場に足を運んでほしい」(岩井澤監督)、「製作費や売り上げなどの数字で企画が決まる時代に、衝動で最後まで作ることができた映画。とんでもない作業量と情熱が全て映っている」(松江さん)、「公開して映画を楽しむ観客の姿を見たら、また新しい感動があると思う。面白い映画を楽しみたい人も、変な映画を見たい人も、映画館に来てほしい」(大橋さん)と呼び掛ける。

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