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漫画「トラとミケ」第3巻 名古屋のどて煮店舞台に個性豊かな「猫物」描く

彼岸花とトラとミケ姉妹が描かれる最新刊第3巻「トラとミケ ゆかしい日々」カバー

彼岸花とトラとミケ姉妹が描かれる最新刊第3巻「トラとミケ ゆかしい日々」カバー

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 名古屋にあるどて煮店を営む猫の姿をした人物(猫物)の「トラ」「ミケ」姉妹の日常を描く漫画の単行本「トラとミケ ゆかしい日々」が7月8日、発売された。

トラとミケ姉妹が手を合わせる「屋根神」を描いたカット絵

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 小学館発行の女性週刊誌「女性セブン」に連載中のねこまきさんの漫画作品をまとめた単行本。ねこまきさんは名古屋を拠点に活動するイラストレーターで、コミックエッセイも手掛ける。作品は、季節に合わせた12話に分けてつづられている。今回で3巻目。1・2巻共に重版が発売されるほどの人気がある。3巻目も発売1週間で重版が決まった。

 主な舞台は、他界した父親から受け継ぎ姉妹が切り盛りするどて屋「トラとミケ」。店を訪れる客とのやりとりや、姉妹の暮らし、季節を感じる料理などを描く。主な登場「猫」物は、客の一人で姉妹の幼なじみでもある写真店店主の「シンちゃん」のほか、ネイルサロンを経営する「ルミちゃん」、ボートレースがライフワークの「サバちゃん」など。

 今回の3巻目は、新キャラクターがたくさん登場し活躍することが特徴の一つ。2巻で初登場したサラリーマンで後に小説家を志す「猫」物や、トラの高校時代の恩師のほか、DV夫から逃れて引っ越して来た母娘、その母娘に深く関わることになる喫茶店店主など。同作品を担当する編集者の橘高真也さんは「主な舞台はこれまでと同様だが、物語はどんどん広がり、人間関係が濃くなっている」と話す。

 リニューアルオープンした名古屋テレビ塔(現・中部電力MIRAI TOWER)、名古屋港水族館、名古屋らしい老舗喫茶店など、名古屋の名所が多く出てくるのも特徴。「愛知在住・出身の人には、方言や地域を感じる細部の描き込みも楽しんでいただけるのでは」(橘高さん)。これまで謎の「猫」物として描かれてきた常連客の一人「幻斎じい」の過去についても描かれる。「戦時下の疎開と戦後の混乱はどんなものだったのか。遠い過去になりつつある戦争を改めて考える前後編は、ぜひ読んでほしい」(同)。

 カバーとカバーをめくると現れる表紙、各編の間に挿入するカット絵は、全て描き下ろし作品。「季節感あふれる絵にもぜひ注目してほしい。人生の喜怒哀楽をリアルに描いた深いストーリーを、ほっこりした気分で読ませるかわいい『猫』物の造形が、『トラとミケ』シリーズの魅力」(同)とも。

 3巻発売と同時に「トラとミケ」LINEスタンプも発売。8月5日からはツイッターでアニメ版の配信も始まる。

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