西区の老舗和凧店-職人技の結集「干支凧」作りが最盛期に

干支凧作りの最盛期を迎えている凧茂本店

干支凧作りの最盛期を迎えている凧茂本店

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 名古屋市西区で手作り和凧(わだこ)の製造卸を手掛ける「凧茂(たこも)本店」(名古屋市西区押切2、TEL 052-522-5261)で現在、来年の干支(えと)である「卯(うさぎ)」にちなんだ干支凧作りが最盛期を迎えている。

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 江戸時代末期に創業し、5代にわたって和凧を作り続けてきた同店。創業時から受け継がれている凧絵はすべてオリジナルで武者や歌舞伎ものが多く、鮮やかな色合いを特徴とする。手すきの美濃和紙に顔料や染料などで色付けし、竹骨をはり糸をつけて仕上げる和凧はすべて職人の手によるもの。「『職人の技術の結集』と『守り続けた伝統』があるからこそ作り出せる凧」と5代目社長の山田民雄さん。「良質の材料で手間はかかるが決して手を抜かずに作る和凧は、丁寧に保存すれば何十年先でも残すことができる」と太鼓判を押す。

 「一年中、凧を飾ってもらえたら」という思いから干支凧を始めて約30年。日本の伝統的な民芸品をモチーフとする凧絵は、毎年1月から図案を考え始め年末までに約3,000枚を作り上げる。来年の干支である卯(うさぎ)凧は岩手県花巻市の民芸品である花巻土人形のうさぎ人形を題材にした紅白の凧(4,800円)と「卯(う)」の字が描かれた凧(4,200円)の3種類。

 卸先は主に玩具問屋だが、最近ではギフト関係や装飾関係の店など幅が広がってきた。店頭販売も行っている同店。歳の暮れも近づくと飾り用として購入していく年配客の姿が多く見られるという。

 「環境変化などで、凧揚げにかかわらずお正月に外でこま回しや羽根付きなどで遊ぶ子どもが減って来た」と山田さん。同店が製作する和凧(ミニ凧以外)は3代目の遺言「飛ばなければ凧じゃない」を守り、すべて実際に揚げられるようにできている。「飾る楽しみもあるが空に揚がってこそ凧は生きる。伝統文化を伝えるとともに、揚げる楽しさも知ってもらえたら」と願いを込める。

 営業時間は9時~17時30分。日曜・祝日定休。

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