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錦橋角に「喫茶神戸館」-33年で幕を閉じた名駅の老舗喫茶店2代目が新店

蝶ネクタイ姿で出迎えるマスターの尾藤雅士さん

蝶ネクタイ姿で出迎えるマスターの尾藤雅士さん

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 名駅3丁目に戦前からあるビルの1階で33年間営業を続けてきた「喫茶ポピー」の2代目店主が2月2日、出店場所を新たに喫茶店「喫茶神戸館」(名古屋市中区錦1、TEL 052-222-2422)をオープンした。

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 「喫茶ポピー」を数年前に親から受け継いだマスターの尾藤雅士さん。ビルの老朽化でやむを得ず移転することになり同店を閉店。パーティーやブライダル仕様の店舗「神戸館」1階の、使っていない朝から夕方までの間を利用して営業できる現在の場所と出合い、「喫茶神戸館」を開くことになった。併せて、自家焙煎(ばいせん)豆の販売などを手がける会社「Beans Bitou」も設立した。

 「もともとコーヒー好き。物事を始めると追求したくなる性格」という尾藤さん。コーヒーコーディネーターの資格を取得し、書物で勉強。東京、大阪などの名店に出向きコーヒーについて気づいたこと、疑問に感じたことを書き留めるなどして勉強してきたという。ポピー時代からのコーヒー問屋から紹介してもらった商社から生のコーヒー豆を仕入れることもできるようになり、さらに、そこで知り合った「師匠と呼べる人」に出会い店づくりを進めてきた。昨年には自ら焙煎機を購入し、独自のコーヒーを研究し作り上げている。

 店で出すコーヒーは一杯ずつオーダーごとにひいている。名古屋エリアの喫茶店ではお決まりの、コーヒーに付いてくる茶菓子は、知人が作る焼き菓子やチョコレートなどを週替わりで提供する。「おいしいコーヒーも出すが、コーヒーを飲みにくるというよりは、会いに来てくれる、時間を共有する、そうしたお客さんとの関係を築くことができれば」と笑顔をみせる。

 メニューは、「ブレンド珈琲」「アメリカン珈琲」「アイス珈琲」(以上350円)、「カフェオレ」(400円)、「本日のセレクトコーヒー」(500円)などのほか、ココア、メロンソーダ、バナナジュースなど。フードは、名古屋らしく鉄板を使用した「喫茶店のイタリアン」(700円)、「喫茶店のカレーライス」(650円)、「喫茶店のハンバーグ定食」(850円)など。「バタートースト」「ジャムトースト」(以上350円)、「エッグトースト」「ハムトースト」(以上500円)などのパン類も充実させた。「小倉トースト」(350円)は「試してすごくおいしかった」という黒ゴマの食パンを合わせる。

 7時~11時は喫茶店の代名詞「モーニングサービス」を提供。ドリンクをオーダーすると、半トースト(バター、小倉、ピーナツバター、ジャムのいずれか)とゆで卵が付く。そのほか、350円のドリンクにホットドッグとゆで卵とサラダが付く「ホットドッグモーニング」(600円)、350円のドリンクにカレーとサラダが付く「カレーモーニング」(650円)など。

 名駅にもほど近く、回りにはビジネスホテルも多い立地。「オフィス街のオアシスでありたい」という尾藤さんは「喫茶店で働く人がうたた寝したり、新聞を読んだり、ネクタイを緩め休憩したり…、ポピー時代から見てきた光景をそのまま受け継ぎたい。下町の喫茶店の感じを残していきたい」という。

 営業時間は7時~16時(土曜は14時まで)。日曜・祝日定休(神戸館でパーティー開催日は土曜も休業の場合あり)。

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