名古屋市、「広小路ルネサンス」計画でアイデア募集-歩行者が主役の街へ

「広小路ルネサンス」計画イメージ

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 名古屋市は1月11日より、メーンストリート・広小路通の車線を減らし、歩道幅を広げて有効活用する計画「広小路ルネサンス」の概要をまとめた小冊子の配布を始め、一般市民からアイデアを募集している。

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 「広小路ルネサンス」計画は、市が2003年から取り組んでいる計画で、広小路通のうち笹島から東新町まで、名駅地区と栄地区を結ぶ2.7キロ区間の車線を減らし、歩道幅を広げた場所にオープンカフェやイベントスペースを設置、オフィスビルの1~2階に飲食店などの店舗を誘致して歩行者空間の拡充を図るもの。同計画に伴い2004年に行われた「広小路ルネサンス2004」では、公開空地などを利用して試験的にオープンカフェの設置やイベントなども実施された。

 今回の計画案では、伏見から栄区間800メートルの車線を4車線から2車線に減らし道路間の中央帯を撤去、歩道幅をこれまでの片側5.5メートルから9.5メートルに広げるという。2010年春~夏にかけて同区間の整備を完了し、車両の通行を制限した歩行者優先の「トランジットモール」化を目指す。伏見、栄間整備の概算額は約16億円。

 市の都市再生推進課は「広小路は、江戸時代から栄える名古屋の中心的道路。平行する桜通や錦通に比べ比較的交通量も少ない上に、飲食店や文化施設も多く建ち並ぶ。名古屋駅周辺と栄周辺など点在する繁華街をつなぐ役割も含め、歩行者用通路を活用して人の往来でにぎわう街を確立していきたい」と、市民参加の説明会なども開催してきたが、実際に車移動が主流となっている地域住民からは、「他の道路への迂回案だけで本当に渋滞は改善されるのか」「タクシーの乗り降り、大型バスの通行、荷さばき用のトラックの問題は?」「自転車通行者と歩行者の安全面は?」「温暖化が進んでいる上、夏が特に暑い名古屋で歩道がにぎわうのか?」など、さまざまな指摘も寄せられている。

 市は、小冊子内で計画の概要や交通量の推移、問題点の改善策や市民アンケート結果なども詳しく説明し、地域住民からの計画への理解を求めるとともに、歩道や区間内店舗の活用アイデアなども募集していく。寄せられた意見は市の考え方と合わせて公表するほか、計画関係者で定期的に開催している「ステークスホルダー会議」の参考意見として活用する。都市再生推進課の担当者は「広小路を一つのショッピングセンターと捉えて、地域市民が安心して楽しめる歩道を確立し、名古屋経済の元気さを実感してほしい。将来的には、周辺商店街との連携イベントも検討し、自動車利用者と公共交通機関利用者の割合を7:3から6:4まで高めたい」と話しており、2月3日には鯱城ホール(栄1)で市民参加の公開討論シンポジウム開催も予定している。

 「広小路ルネサンス」の小冊子は、区役所や図書館などで配布しているほか、ハガキやファックスでの送付依頼受け付けや、市のホームページからもダウンロードできる。同計画に関するアイデア募集や小冊子の配布は2月12日まで。

「なごや観光ルートバス」運行増発-デザイン一新、ルート拡充(名駅経済新聞)広小路ルネサンス(名古屋市ホームページ)

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