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新アートプロジェクト「アートサイト名古屋城」開催へ 作家4組が作品展示

名古屋城を舞台にした新しいアートプロジェクト「アートサイト名古屋城2023 想像の復元」が11月29日から開催。プレイベントでは参加アーティストが作品の構想などを発表

名古屋城を舞台にした新しいアートプロジェクト「アートサイト名古屋城2023 想像の復元」が11月29日から開催。プレイベントでは参加アーティストが作品の構想などを発表

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 名古屋城を舞台にした新しいアートプロジェクト「アートサイト名古屋城2023 想像の復元」が11月29日から、開催される。

名古屋城では「史跡・文化財等の特別公開」も併せて行う

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 アートサイト名古屋城は、4組のアーティストが名古屋城の歴史や戦災での焼失から現在も続く復元作業に着想を得て、城内の各所を舞台に作品を創造する現代アートプロジェクト。

 参加アーティストは、玉山拓郎さん+GROUP、寺内曜子さん、丸山のどかさん、山城大督さん。玉山さんとGROUPは2018(平成30)年に完成公開を迎えた「本丸御殿」エリア、寺内さんは御深井丸の「茶席」エリア、丸山さんは現在も復元整備が進む「二之丸庭園」エリア、山城さんは天然記念物の樹齢600年のカヤの木がある「西之丸」エリアで、それぞれ作品を制作展示する。期間中、関連イベントとして、寺内さんの参加型プロジェクト「タゴトノツキ 誰毎の月」(11月29日)、山城さんの音楽ライブ「かやのき音楽祭」(日時の詳細は後日発表)を開催する。

 名古屋城では、「史跡・文化財等の特別公開」も併せて開催。普段は入ることができない夜の本丸御殿、明治時代初期に建設された乃木倉庫を特別に公開し、紅葉が色づく二之丸庭園のライトアップを行う。

 10月22日には栄の「FabCafe Nagoya」(名古屋市中区丸の内3)でプレイベントを開催。キュレーターの服部浩之さんの進行で、4組がこれまで制作した作品やプロジェクトの構想を発表した。

 イベント冒頭で、名古屋城総合事務所の吉田祐治さんは、戦災での焼失後、多くの図面、写真、記録が残されていたことで精度の高い復元が実現したことを解説。「史跡・文化財は、保存するだけではなく、活用することも必要。特別公開やアートプロジェクトで、いつもとは違う名古屋城の表情を見つけてほしい。クリエーティブな表現や作品を通じ、思いがけない視点から名古屋城を活用する可能性が広がっていけば」と期待を込める。

 服部さんは「復元作業を担った人たちは、資料の穴を埋めるため、知識や想像力で補完し、つなぎ合わせた。そして、過去の物をもう一度作るのみではなく、今生きている人にしか実現できない技術も使って形にしている。ズレや矛盾も含め、復元は人間の想像力・創造力が凝縮されたアート。今回は、保存と活用の両方の視点を大事に、プロジェクトを行いたい。名古屋城という広大な空間を巡る中で、作品に出合い、時間や場所に思いをはせていただけたら」とテーマを語る。選出した4組については「美術館ではない屋外空間で作品を表現できる作家であり、愛知・名古屋と関わりがあって継続的にテーマを考えていけるメンバー」と話す。

 寺内さんは「茶室という日常にない狭い空間に『入る』という行為を通して、床の間での作品と向かい合う展示になる。『私たちは世界の部分しか見ることができない』という事に気づき体験する場として、自分と世界との関わりを感じ取るような作品にしたい」と構想を語る。

 入場時間は、9時~19時30分。入場料は、大人500円、中学生以下無料。12月10日まで。

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