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名古屋で映画「ハイヒール革命!」舞台あいさつ 古波津監督ら来名

(左から)真境名ナツキさん、古波津陽監督、高畠千夏さん

(左から)真境名ナツキさん、古波津陽監督、高畠千夏さん

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 名駅の映画館「ミッドランドスクエアシネマ」(名古屋市中村区名駅4)で10月1日、公開中の映画「ハイヒール革命!」の舞台あいさつが行われ、主演の真境名ナツキさん、古波津陽監督が登壇した。

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 ニューハーフで女優・タレントの真境名さんの半生をドキュメンタリーとドラマで描いた同映画。インタビューと密着撮影によるドキュメントパートは真境名さんが出演、取材に基づいた少年時代のドラマパートは濱田龍臣さんが演じた。性同一性障害に悩む少年が、コンプレックスを豊かな個性に変え、なりたい自分に向かっていく姿を描く。

 2人が登壇すると大きな拍手が起こり、客席からの声援に真境名さんは笑顔で手を振った。真境名さんは「映画を作るきっかけは、私のパートナーが今作のプロデューサーと知り合いで一緒に食事に行ったこと。いきなり映画を作ろうと言われ、話半分に聞いていたが、次に会った時には予算などを具体的に伝えてきたので驚いた」と振り返る。

 古波津監督は「真境名さんの第一印象はサービス精神、明るい部分、真面目な部分など、いろいろな顔がある人。その最初の印象を大事にしながら、真境名さんの中から出てくる要素を取り上げていった」と話す。

 真境名さんは自身を演じた濱田さんについて「演技については、おこがましいので何も言っていない。濱田さんから、どんなタイプの人ですかと質問されて、感情が顔に出やすいエモーショナルな人だよと答えたくらい。演技を見て、天才子役はだてじゃないと思った」と絶賛する。

 監督は「LGBTを世の中に紹介しようという意識はあまり無く、たまたま真境名さんがそういうカテゴライズの人だっただけ。真境名さんの個性の根源に一番興味があった。これだけコンプレックスを持っていた人がなぜ、伸び伸びと個性的に生きていられるか。コンプレックスは皆が持っているし、それをひっくり返して自分の武器にできたら素晴らしいこと。世の中に自分の個性を出せなくて困っている人たちに真境名さんのキャラクターを見てもらって、あなたはどんな人なの、何が好きなの、どうやったら伸び伸び生きられるの、とプレゼンテーションできるといいなとの思いで映画を撮った」と話す。

 真境名さんは「LGBTだから大変という人は多いと思うが、生きていれば悩みは誰にでも絶対ある。LGBTの人だけではなく、ごく普通のいろいろな人に見てほしい。この映画がきっかけになって私は前に進むことができた。見た人に少しずつ変わっていける勇気を持ってもらいたい」と呼び掛ける。

 古波津監督は瀬戸市や猿投町をロケ地にした映画「築城せよ!」で長編監督デビュー。名古屋市の円頓寺商店街を舞台にした「WAYA!宇宙一のおせっかい大作戦」を撮影して再び愛知を盛り上げた。「映画を作る側の視点で言うと、愛知は都会も山や海などの自然もある。商業地、農村、漁村と何でもそろっているし、史跡も古い物も残っている。まだまだ活用できるネタがたくさんある魅力的な場所。もう1本は映画を撮って3部作にしたいと思っている」と話す。真境名さんも「ここは女性化に向けての手術をした街なので、私も第二の故郷」と名古屋愛をアピールした。

 最後にサプライズで2人に花束がプレゼントされた。監督に花束を手渡したのは、今作に出演した名古屋在住の高校生、高畠千夏さん。高畠さんは小学校時代に「築城せよ!」に出演して女優を目指すことを決心したという。3人は撮影現場で食べた真境名さんの差し入れの話などで盛り上がり、舞台あいさつが終了した。

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