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名古屋駅西に大学生が「駅西あさごはん」 まちづくり研究の一環で

「駅西あさごはん」を西田龍人さん(右)、高原潮さん(右から2番目)ら運営するメンバー

「駅西あさごはん」を西田龍人さん(右)、高原潮さん(右から2番目)ら運営するメンバー

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 名古屋駅西側にある「駅西銀座商店街」東端に、大学生が運営する「駅西あさごはん」(名古屋市中村区竹橋町31)がオープンし約1カ月半がたった。

常滑焼の土瓶からだし汁が注がれる「鯛茶漬け」

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 手掛けるのは名古屋市立大学学生で、社会調査実習で同じチームになった男女8人。名古屋駅東に興味を持ち入ったゼミの講師が駅西の研究をしていたことをきっかけに駅西に興味を移し、まちでできること、事業を探る中を研究する中で同店を3カ月の期間限定で、土曜・日曜限定で出店することになった。

 名古屋駅かいわいは再開発で高層ビルが立ち並ぶ駅東に比べ、駅西側はこれまで通りの姿を残しているが、リニア中央新幹線の開業にあたりリニアの名古屋駅の上に当たる駅西の地上には広場ができることになっている。

 メンバーの西田龍人さんは「意見を出し合い、名古屋駅かいわいの早朝の時間帯に着目した。深夜バスで早朝5時くらいに到着すると空いている店もほとんどないため、何か食べられる場所があるといいのでは。歩行者や深夜バス降車の数などの調査も行った」と話す。

 店舗は「やきとり竹橋」を間借りしている。民家を改装した店の雰囲気が気に入り、企画書を持って同店オーナーに話をした。高原潮さんは「飛び込みでプレゼンし約2週間後に了承を得た。今でも『頑張れ』と応援してくれている」。店舗は駅から数分歩く距離にあるが「朝からこの店まで歩いてまで来てくれるはず、と勝負に出た。駅東側からも人を呼べるくらい魅力を出したい」と意気込む。一般の来店客のSNSを通じて店の存在が広がり、観光客、観光帰りの人、近隣住民の利用もあるという。席数は32席。

 料理メニューは「鯛茶漬け」(500円)の1種類。釣りが趣味だという高原さんの父親が釣ったタイを使い自宅で「鯛茶漬け」を食べていたことから、「なじみのある料理。東京で『鯛茶漬け』の店の出店が多くブームを感じ、『鯛茶漬け』をワンコインで食べられることが引き合いになるのではと考えた」(高原さん)。近くになる椿町市場で仕入れるタイ、宗田節と「やきとり竹橋」の鶏だしで作るだし汁、器は常滑焼を使う。漬物のほか、わさびとみそを添え味に変化も付けられるようにした。ご飯の量も「普通、少なめ、多め」を選ぶことができ、客席で土瓶からだし汁を掛けて提供する。常滑焼のカップで提供する「コーヒー」(200円、お代わり自由)も提供する。

 仕込み担当は、最終電車で店に出勤し「やきとり竹橋」の営業終了後、だしをとるなど仕込み作業をし仮眠を取り営業時間を迎えるという。

 西田さんは「駅西の今ある建物を活用し開発する走りになれば。学生でもできるんだということを見てもらい、駅西に今までいなかったプレーヤーが生まれたら」、高原さんは「駅西をよく知らない最初は、先入観で怖い、よく分かないところ、と思っていたが入ると人の顔が見えつながりを感じた。椿町市場や近所の方にも声を掛けてもらえるようになった」と話す。

 2018年1月14日にいったん営業を終了するが「研究として続けたい。就職活動があるので、次を担ってくれるメンバー募集を考えている」という。

 営業時間は5時~9時。土曜・日曜のみ営業。「やきとり竹橋」は17時~24時で無休)。

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